土器生産址を推定する上で焼成址遺構(窯など)のような直接的な証拠と、土器作りの道具などの間接的な証拠が重要です。そうした証拠を発見することは難しいものです。そのため作戦を変更し、古典期ティカルにおいて「土器工人集団はどのような階層に属していてどこに住んでいたのか」を明らかにすることを目標に設定しました。
ティカルの社会階層を研究する上で、マウンドを調査した際の単位体積当たりの遺物出土量をデータとして数理的な研究を行うことにしました。これまでのデータを基に社会階層モデルを構築し、「多層的冪分布構造論」を提示したことが成果です。
下に挙げたように2021年の調査段階で建造物属性による階層分類として6分類しています。今後はそれぞれのレベルから出土する遺物の種類と多寡に関してデータを集めていきたいと考えています。